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記事: エルメス バーキン完全ガイド②:後悔しない『素材・サイズ・カラー』の選び方、徹底比較

エルメス バーキン完全ガイド②:後悔しない『素材・サイズ・カラー』の選び方、徹底比較
エルメス

エルメス バーキン完全ガイド②:後悔しない『素材・サイズ・カラー』の選び方、徹底比較

前回の『誕生秘話と職人技の物語』に続き、今回はバーキン選びで最も心躍る、そして最も悩む『素材・サイズ・カラー』の世界を徹底解説します。あなただけの一点を見つける旅へ出発しましょう。

 

 

エルメスの叡智が宿る素材の世界

バーキンの価値を決定づける大切な要素、それは何と言っても「素材」です。エルメスは世界中から最高品質のレザーを調達し、その中でも本当にごく僅かな、傷一つない完璧な部分だけを使うことを徹底しています。フランスの名門タンナー(皮革工場)であるデュプイ社やアノネイ社から供給されるレザーは、まさに世界最高峰の芸術品。バーキンの魂とも言える、多彩で奥深い素材の世界へとご案内いたします。

 

私たちの日常に寄り添う、牛革 (Bovine Leathers)

バーキンの多くは牛革で作られていますが、その加工方法によって表情や性格が全く異なるのが面白いところです。

 

シュリンクレザー (Shrink Leathers)

革をきゅっと収縮させて、自然なシボ(凹凸)を出したレザー。傷が目立ちにくく、豊かな表情が魅力です。

  • トゴ (Togo)
    バーキンの素材として最も人気が高く、私たちの憧れの的でもある雄仔牛のレザー。細かく深いシボと、凛としたハリ感が特徴で、型崩れしにくく傷にも強いという、まさに頼れるパートナーです。日常使いに最も適した素材の一つと言えるでしょう。

  • トリヨン・クレマンス (Taurillon Clemence)
    雄牛のレザーで、トゴよりも少し大きめの、おおらかなシボと、くったりと柔らかな質感です。使い込むほどに優しく馴染み、よりしなやかな風合いへと育っていきます。ただし、少し水分には弱いので、雨の日には気をつけてあげてくださいね。

型押しレザー (Pressed Leathers)

革の表面に均一な模様をプレスした、知的で端正な表情を持つレザー。美しさと高い耐久性を兼ね備えています。

  • ヴォー・エプソン (Veau Epsom)
    雄仔牛のレザーに、繊細で規則的な型押しを施した素材。軽量でとてもしっかりしており、型崩れに圧倒的に強いのが最大の魅力です。発色が素晴らしく、鮮やかなカラーも息をのむほど美しく表現してくれます。傷や汚れにも強く、お手入れがしやすい点も人気の理由です。

スムースレザー (Smooth Leathers)

表面に凹凸がなく、吸い付くように滑らかな質感が特徴。革本来が持つ、気品あふれる光沢が際立ちます。

  • ヴォー・スイフト (Veau Swift)
    とても柔らかく、マットで繊細な質感を持つレザー。うっとりするような手触りと、鮮やかな発色の良さが魅力で、特にヴィヴィッドなカラーでその美しさを存分に発揮します。ただし、少しデリケートで傷がつきやすいので、優しく扱ってあげたい素材です。

  • ボックスカーフ (Box Calf)
    エルメスが創業当初から大切に使い続ける、最もクラシックな雄仔牛のレザー。ガラス加工による滑らかな表面と、凛とした光沢が特徴です。時とともに美しい艶(パティナ)が生まれ、持ち主だけの歴史を刻んでくれます。傷や水濡れには注意が必要ですが、フォーマルなシーンで放つ品格は、まさに圧巻です。

究極の夢、エキゾチックレザー (Exotic Skins)

究極のラグジュアリーをその身に纏うのが、希少なエキゾチックレザーです。

  • クロコダイル (Crocodile)
    最も高価で、出会うこと自体が奇跡と言われる素材。ナイル川流域を原産とする「ニロティカス」(腑(模様)に`••`の刻印)と、東南アジアやオーストラリアを原産とする「ポロサス」(腑に`^`の刻印)が代表的です。宝石のような光沢仕上げの「リセ」と、落ち着いた「マット」、どちらも溜息の出るような美しさです。

  • アリゲーター (Alligator)
    主にミシシッピ川流域を原産とし、腑に`□`の刻印が入ります。クロコダイルに比べて腑がやや大きく、腑の中央に穿孔(小さな点)がないのが特徴です。

  • リザード (Lizard)
    トカゲの革で、細かく整然と並んだ鱗模様と、ジュエリーのような輝きが魅力。サイズが小さいため、主にバーキン25などの小さなサイズのバッグに使われます。

  • オーストリッチ (Ostrich)
    クイルマークと呼ばれる、羽を抜いた跡の丸い突起が愛らしいダチョウの革。とても丈夫で軽く、使い込むほどに艶が増し、味わい深くなっていきます。

 

主要レザー素材比較 - あなたのパートナーはどのタイプ?

素材名 由来 質感・シボ 耐久性 形状維持力 こんなあなたに
トゴ 雄仔牛 細かく深いシボ、マットな質感 非常に高い 高い 毎日を共に過ごす、頼れる相棒として
トリヨン・クレマンス 雄牛 やや大きめのシボ、くったりと柔らかい 高い 経年で柔らかくなる カジュアルでリラックスしたスタイルがお好きな方に
ヴォー・エプソン 雄仔牛 均一で細かい型押し、やや光沢 非常に高い 非常に高い ビジネスシーンでも活躍させたい、かっちり派の方へ
ヴォー・スイフト 雄仔牛 非常に滑らか、マットで繊細 ややデリケート 柔らかい パーティーなど特別な日に、鮮やかな色を楽しみたい時に
ボックスカーフ 雄仔牛 光沢のあるスムースレザー デリケート 非常に高い クラシックなスタイルを愛し、フォーマルな品格を求める方に

 

どの素材を選ぶかということは、単なる見た目の好みだけでなく、あなたのライフスタイルや価値観を映し出す、とてもパーソナルな決断です。毎日を共に過ごすパートナーとして選ぶなら耐久性の高いトゴやエプソンを、特別な日のための芸術品として選ぶならボックスカーフやエキゾチックレザーを。それぞれの革が持つ物語に耳を傾けることで、バーキン選びはもっともっと、楽しく奥深いものになるはずです。

 

あなたに寄り添う完璧なサイズの選択

バーキンは、持ち主のライフスタイルや体格に合わせて、まるでオーダーメイドのように選べるサイズ展開も魅力の一つです。それぞれのサイズが持つ個性と実用性を知ることは、あなたにとって「これ以上ない」と思える完璧な一点を見つけるための、大切なステップ。ここでは、主要な4つのサイズについて、その特徴とおすすめのシーンを詳しくご紹介しますね。

 

4つのコアサイズ - あなたの毎日にフィットするのは?

  • バーキン25
    今、最も人気が高く「出会えたら奇跡」と言われる最小サイズ。コンパクトながら長財布やスマートフォンなど必需品はきちんと収まり、その愛らしい佇まいはディナーやパーティーシーンであなたを最高に輝かせてくれます。小柄な方が持つとバランスが良く、資産価値が非常に高いことでも知られています。

  • バーキン30
    日本の女性の体格に最もフィットしやすいと言われ、絶大な人気を誇るまさに万能サイズ。必需品に加えて、ポーチや500mlのペットボトル(縦向き)も収納できるので、普段使いから少し畏まったお出かけまで、どんなシーンでも頼りになります。初めてのバーキンとしても、おすすめしたいサイズです。

  • バーキン35
    A4サイズの書類や薄手のノートパソコンもスマートに収納できる、実用性に優れたサイズ。ビジネスシーンで颯爽と活躍するのはもちろん、荷物が多めの方も安心です。身長が高い方や、パートナーとシェアしたい男性にも人気があります。

  • バーキン40
    ジェーン・バーキンのために最初に作られた、伝説のオリジナルサイズ。一泊程度の旅行にも対応できるほどの圧倒的な収納力は、まさに圧巻です。その堂々とした存在感から、主に旅行用や男性のビジネスバッグとして選ばれることが多い、通好みの希少なサイズです。現在は限られた顧客の中で希望された方から抽選のうえ、ご案内されるようです。

 

サイズ別容量と推奨用途 - ライフスタイルから選ぶ

サイズ 寸法 (幅x高さx奥行き) 標準的な収納物 おすすめのシーン 最適な身長の目安
バーキン25 25 x 20 x 13 cm 長財布、スマートフォン、キーケース、ミニポーチ ディナー、パーティー、特別な日のお出かけ 160cm未満
バーキン30 30 x 22 x 16 cm 上記に加え、手帳、化粧ポーチ、500mlペットボトル 日常使い、通勤、お出かけ全般 155cm~165cm前後
バーキン35 35 x 25 x 18 cm 上記に加え、A4書類、タブレット、折り畳み傘 ビジネス、日帰り出張、荷物が多い日に 165cm以上
バーキン40 40 x 30 x 21 cm 上記に加え、衣類、書籍などかさばる荷物 旅行、出張、パートナーとのシェア 170cm以上

 

あなたにぴったりのサイズは、単に身長だけでなく、普段持ち歩く荷物の量や、どんなシーンでバーキンと一緒に過ごしたいかによって決まります。フォーマルな場でのエレガンスを求めるなら25、オンオフ問わず毎日を共にするパートナーなら30、そしてビジネスの相棒として機能性を重視するなら35。ご自身のライフスタイルを思い浮かべながら、最も心に寄り添ってくれるサイズを見つけることが、後悔しないバーキン選びで何より大切です。

 

エルメスが紡ぐ、心ときめく色彩の芸術

エルメスの世界を語る上で、その無限とも思える色彩のバリエーションは欠かせませんよね。バーキンの価値は、素材やサイズだけでなく、どの色を纏うかによっても大きく変わります。ここでは、エルメスのカラーパレットという夢のような世界と、全体の印象を決定づける金具の選び方について、一緒に探求していきましょう。

 

不動の定番色 - 最初に迎えるならこの3色

数あるカラーの中でも、特に人気が高く、資産価値の面でも揺るぎない地位を築いている3つの定番色があります。これらはファーストバーキンとしても絶大な支持を得ています。

  • ノワール (Noir / 黒)
    あらゆるカラーの中で最もクラシックで、時代を超えて愛されるのがノワールです。ビジネスから冠婚葬祭まで、どんなシーンにも寄り添ってくれる究極の万能色。エルメスのノワールはただの黒ではなく、吸い込まれるような深みとしっとりとした質感を持ち、合わせる金具の色によって全く違う表情を見せてくれるのが魅力です。

  • ゴールド (Gold / ブラウン)
    エルメスが馬具工房であったルーツを物語る、温かみのあるキャメルブラウン。金属のゴールドではなく、革本来の風合いを感じさせるこの色は、白いステッチとのコントラストが本当に美しく、カジュアルからエレガントまでどんなスタイルも受け止めてくれる懐の深さがあります。

  • エトゥープ (Etoupe / グレージュ)
    グレーとベージュが絶妙に溶け合った、この上なく洗練されたグレージュカラー。上品で柔らかい印象を与えながらも、どんな色の服にもすっと馴染むコーディネート力には驚かされます。知的でモダンな雰囲気は、多くの女性の心を掴んで離しません。

 

広大なカラーパレットの世界 - あなただけの色を見つけて

  • ホワイト・クリーム系
    クレ(チョークのようなオフホワイト)やベージュなど、究極の贅沢と清潔感を象徴するカラーファミリー。持つだけで心が洗われるようです。
    クレベージュ
  • ピンク系
    ローズサクラやローズアザレに代表される、可憐でフェミニンな色合い。特にアジアで人気が高く、コレクターズアイテムになることも少なくありません。
    ローズサクラローズアザレ

  • ブルー系
    かつての定番ブルージーンから、深みのあるブルーニュイ(ミッドナイトブルー)やブルーインディゴまで、最もバリエーションが豊富なカラーファミリーの一つ。
    ブルージーンブルーニュイブルーインディゴ

  • グリーン系
    ミントやオリーブグリーンなど、自然界からインスピレーションを得た、心安らぐ気品を感じさせる色合い。
    ミントオリーブグリーン

 

最後の仕上げ:金具(ハードウェア)という名のジュエリー

バッグの印象を最終的に決定づけるのが、クロアを留める金具の色。この小さなパーツが、バッグ全体の雰囲気をがらりと変える魔法を持っています。

  • ゴールド (Gold Plated)
    華やかでクラシックな印象を与えてくれます。温かみのある輝きは、特にノワールやゴールドといった暖色系のレザーと相性抜群で、バッグに女王のような風格を与えます。

  • シルバー (Palladium Plated)
    クールでモダンな印象がお好みならこちら。シャープで知的な輝きは、エトゥープやブルー系などの寒色系レザーと組み合わせることで、洗練された都会的な雰囲気を演出してくれます。

  • ピンクゴールド (Rose Gold)
    比較的新しく登場した、希少性の高い金具。ゴールドの華やかさとシルバーの現代性を併せ持ち、肌馴染みの良い柔らかな輝きが、たまらなくフェミニンな印象を与えてくれます。

  • その他の仕上げ
    流通量は少ないものの、つや消し加工が施されたマットゴールドやマットシルバー、深みのあるグレーが魅力的なルテニウムなど、よりあなたの個性を際立たせる希少な金具も存在します。

 

色の選択は、単に「好き」という気持ちだけではなく、定番色は高い汎用性と安心感を、鮮やかな色はあなたの個性とファッションへの愛を物語ります。金具との組み合わせまで想像を膨らませることで、あなただけの理想のバーキンが、きっと見つかるはずです。

 


あなただけの理想のバーキンは、少しずつ見えてきたでしょうか?
連載の最終回となる次回は、憧れのバーキンを手に入れた後の世界へ。末永く愛用するための『ケア方法から入手方法、そして気になる資産価値』までを、余すところなくお伝えします。

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