🐎 【エルメス体験記】没入型イベント「MYSTERY AT THE GROOMS'」🐎

先日、TOKYO NUDE(虎ノ門ヒルズステーションタワー)で開催された、エルメスの特別な没入型イベント「MYSTERY AT THE GROOMS'（ミステリー・アット・ザ・グルームズ）」を体験してきました。

公式サイトでは「謎解きエンターテイメント」と紹介されていた本イベント。ハイブランドのエルメスが仕掛ける遊びとは一体どんなものだったのか？

会場の空気感、細部に宿る職人技、そしてブランドの「品格ある遊び心」について、COTANTIN独自の視点で感想をお届けします。

✨1. 謎解きイベントへの期待と、会場の第一印象

謎解きエンターテイメントと銘打たれた、今回のエルメスのイベント。公式サイトの情報だけでは、実際どんな内容なのか想像がつきませんでした。

行く前は、子ども同伴可と聞いていたので堅苦しくはないだろうと思いつつも、60分という時間設定から、大人も夢中になれる深みのある仕掛けがあるのだろうと期待が高まっていました。これから始まる非日常の体験に、期待が膨らむ瞬間でした。

🔍2. 駅からの特別演出と馬探偵になるまでの準備

エルメスの特別感は、会場に着く前から始まっていました。虎ノ門ヒルズの駅を出たところから、電光掲示板などがイベント仕様に変わり、期待感を高めます。

会場のTOKYO NODEに足を踏み入れると、その特別な雰囲気に圧倒されます。天気がよかったおかげで東京を一望でき、景色がとても綺麗。シンプルな会場にエルメスの世界観がマッチし、特にブランドカラーのオレンジが、青空と都心を背景により一層映えて見えました。

そのままチェックインカウンターへ向かいます。大人はQRコードが入った小さな紙を受け取る一方、子供たちにはイベントの鍵となる冊子が手渡されました。

子供用の冊子には、馬探偵オレノからの指令が書かれています。

チェックイン後、まず案内されたのはウェルカムホール。このホールでグルーム※からルール説明を受けました。入場は時間予約制で、およそ15組（20名〜30名ほど）が同時に体験を開始する形式でした。参加者は一気に馬探偵として物語の中に引き込まれ、いよいよ馬探しが開始されます。

※シルクハットをかぶり説明している方がグルームです。グルームとは馬の世話役の事。この演出もエルメスらしい素晴らしい世界観だと感じました。

🐎3. 五感で没入！6つの部屋を巡る「馬さがし」の世界観

会場へ一歩足を踏み入れると、そこはもうエルメスの物語の中。音、光、雰囲気など、五感を刺激する演出に、すぐに引き込まれていきました。

🎨 徹底された世界観の作り込み

今回の舞台となった6つの部屋は、ストックルーム、館長の部屋、食料庫、バスルーム、ランドリールーム、グルーム寮という順に回っていきます。各部屋に1〜2名程のグルームが配置されており、馬が見つからない時にはヒント役となってくれました。

会場の雰囲気は、部屋のテーマごとに照明が異なり、基本的に暗めでした。仕掛けをクリアした時の音や、馬の鳴き声などの効果音が、臨場感を高めていました。

さらに、各部屋の滞在時間は約10分。時間がくると部屋に音が鳴り、次の部屋へと誘導される緊張感が、没入感をさらに高めていました。

バスルーム

ランドリールーム

グルーム寮

そして驚くべきは、漂ってくる豊かな香りです。まず最初に感じたのはフルーティな香りでしたが、奥に進むにつれて、本物の革の匂いや干し草の匂いが、その香りに重なってきました。

これらの匂いの正体は、部屋に置かれていた本物の食べ物（にんじん、りんご、トウモロコシなど）や、オータクロア（ジョッキーのブーツを入れるバッグ）、鞍などの本物の革製品でした。オブジェとして飾られているものもすべて本物。この徹底した世界観の作り込みこそ、五感全体でブランドの細部にわたるこだわりを体感させてくれました。

どのエリアもエルメスのルーツである、馬を中心とした世界観と遊び心をミックスさせているのを感じ、「あ、エルメスの世界に入り込んだな」と実感した瞬間でした。

🧵4. 細部に宿る「本物の職人技」を深掘り

今回のイベントで私が特に注目したのは、謎解きの小道具や、馬が隠れていたオブジェのクオリティです。

🛋️ すべて本物の素材で構成された空間

私が最も驚いたのは、空間全体が、販売されている商品と本物の素材だけで構成されていたという事実です。食べ物や干し草まで本物で、展示品はすべて本物の商品でした。会場全体が、作り物ではない品質で満たされていたのです。

特に感動したのは、家具の美しさです。例えば、仕事で使われるような大きな革張りテーブルが、来場者が自由に触れられるエリアに置かれていました。スイフトが使われた2m以上のサイズがあるそのテーブルは、目を引く存在でした。その革は、美しい艶と同時に、触れると吸い付くような上質な手触りでした。

革の手触り、ステッチの細かさ、金属の輝き——。細部にまで本物の素材が使われていることが分かりました。見た目の美しさだけでなく、長く愛用できる確かな品質を肌で感じることができました。

🃏5. 品格と両立する「本気の遊び心」

エルメスが謎解きゲームを作っている、その「本気の遊び心」にも注目しました。

🃏 夢中にさせる巧妙な演出

このイベントの物語は、「逃げ出した30頭の馬たちを、馬の世話役であるグルームと協力して探す」という設定でした。グルームは、私たちが最初の部屋であるストックルームに入る前から参加者を出迎え、彼らの存在が、私たちを自然に物語の世界へ引き込みます。

一番エルメスらしい遊び心だなぁ！と感じたのは、そのテーマ設定です。商品に描かれている馬の種類の多さに驚きましたし、お茶目な逃げた馬たちを探すというテーマに合わせて各エリアに仕掛けがあり、問題を解かないと30頭捕まえられないという構成でした。

この「謎解きゲーム」は、何かを押したり、装置を動かしたりと、大人でもかなり頭を使わないと解けない本格的なものでした。60分〜70分間、本当に集中が途切れる瞬間がありませんでした。エルメスの世界観は第一にしているけれど、決して気取った感じはなく、多くの方に開かれた親しみやすい演出をしていたことに驚き、感動しました。

正直な感想として、謎解きは一緒に参加した方に教えてもらわないと全クリアは難しいレベルでした。しかし、その分みんな探すのに必死で、あっという間に時間が過ぎていきました。

品格を保ちながら、誰もが夢中になれる遊び心を全力で仕掛ける姿勢には、ただただ感銘を受けました。このような洗練されたバランス感覚の凄みを、イベントを通じて肌で感じることができました。

🎁6. 最後に

最後のグルーム寮を終えた後は、ガーデンという場所でグルームによる締めの話を聞きました。参加者全員に、今回のイベントをテーマにした本（冊子）に、シールとポスターが挟まれた参加賞が手渡されました。多頭見つけた参加者への特別商品はなく、体験の喜びを、誰もが平等に持ち帰れるという姿勢が貫かれていました。

その後、休憩スペースに案内され、カップに入ったフルーツウォーターをいただき、体験後の心地よい余韻に浸ることができました。

今回のイベント全体を振り返り、最も感じたのはブランドの親密さです。ハイブランドのイメージとは裏腹に、世代や立場に関わらず、誰もが物語に自然に入り込めるような設計になっていました。特に、子供連れの方々への細やかな配慮も感じられ、家族の歴史に寄り添うというブランドの姿勢が体験を通じて伝わってきました。

この濃密な体験を通じて、上質なモノが人に与える感動の力、そして人の心を豊かにする洗練された遊び心が、いかに重要であるかを改めて感じました。

この素晴らしい感動を胸に、これからもエルメスが発信する世界観を楽しみにしております。