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記事: Hermès ピコタン完全ガイド Part.2 サイズ・カラー・アレンジ術の徹底解説

Hermès ピコタン完全ガイド Part.2 サイズ・カラー・アレンジ術の徹底解説
エルメス

Hermès ピコタン完全ガイド Part.2 サイズ・カラー・アレンジ術の徹底解説

サイズ・カラー・アレンジ術の徹底解説

前回の「Hermès ピコタン完全ガイド Part.1」では、ピコタンの愛らしいルーツ、ケリー・バーキンとの対比、そして一枚革の構造美についてご紹介しました。ピコタンが持つ「日常の上質さと自由」という哲学を深くご理解いただけたかと思います。

本記事Part.2では、ピコタンを実際に選ぶための実践編として、サイズ選び、カラーの魅力、そしてピコタンの楽しさを最大限に引き出すアレンジ術を徹底解説します。自分だけのピコタンを見つけ、日常を彩るためのヒントが満載です。

→ 「まだPart.1を読んでいない方はこちら」:Hermès ピコタン完全ガイド Part.1

1. ピコタンのサイズ別特徴と用途

ピコタンは、ケリーやバーキンに比べるとサイズ展開は少ないですが、それぞれの大きさが明確に異なる役割と印象を持っています。どのサイズを選ぶかで、バッグの主役度や実用性が変わります。

サイズ 通称 / 寸法(約 cm) 特徴と容量 用途と印象
PM (18) ピコタンロック 18 / W18 × H18 × D13.5 cm 長財布はギリギリ入らないことが多い。必要最低限の荷物(ミニ財布、スマホ、リップなど)に特化したサイズ。 最も人気が高く可憐。アクセサリー感覚で持てる。休日、ちょっとしたお出かけに。
MM (22) ピコタンロック 22 / W22 × H22 × D18 cm 長財布が収まる標準的なサイズ。日常に必要なものがしっかり入り、実用性が高い。 デイリーユースの王道。普段使いからお食事会まで幅広く対応するバランスの良さ。
GM (26) ピコタンロック 26 / W26 × H26 × D21 cm かなりの大容量。タオルやペットボトルも楽に入るため、荷物が多い方やマザーズバッグとしても人気。 カジュアルで存在感がある。一泊旅行、ジム、仕事道具など荷物が多い時に最適。
TGM (31) ピコタンロック 31 / W31 × H31 × D23 cm ピコタンの最大サイズ。トラベルバッグの機能も持つ。メンズにも人気が高い。 トラベル、出張、大荷物が必要なシーンに。

サイズ選びのポイント

  • 長財布を使う場合: MM(22)以上を選びましょう。PM(18)はミニ財布専用と考えるのが賢明です。
  • 日本での人気: PM(18)が最も人気が高く、次にMM(22)が実用性から支持されています。

2. ピコタンの魅力を引き出すカラー選び

ピコタンのカラーは、そのシンプルなフォルムと柔らかな素材感によって、色が持つ魅力を最大限に引き出します。特にメイン素材のトリヨンクレマンスやトゴは発色が良いため、鮮やかなカラーも日常に馴染みやすいのが特徴です。

定番カラー

  • エトゥープ (Etoupe): グレーとベージュの中間色。合わせる服を選ばない万能色で、最も人気の高いカラーの一つ。
  • ブラック (Noir): フォーマル感と高級感を与える定番中の定番。カデナのゴールドやシルバーが美しく映えます。
  • ゴールド (Gold): エルメスを象徴するキャメルのような茶色。持つだけでクラシックな雰囲気を演出できます。

個性を彩るカラー

  • モーヴ・シルベストル (Mauve Sylvestre): 淡いピンク系。可愛らしいピコタンのフォルムと相性抜群で、可憐な印象を与えます。
  • ヴェール・シプレス (Vert Cypress): 深みのあるグリーン。シックで落ち着いた印象を与え、大人のカジュアルスタイルにぴったりです。
  • クレ (Craie): チョークのようなオフホワイト。清潔感があり、柔らかな素材感と相まって優しい雰囲気を醸し出します。

カラー選びのポイント

ピコタンはカジュアルに使うバッグのため、ケリーほど「フォーマルな定番色」にこだわる必要はありません。自分の好きな色、日常の服装に合う色を選ぶことで、毎日気分が上がるパートナーになってくれます。

3. ピコタン最大の楽しみ!アレンジ術ガイド

ケリーやバーキンにおいても、ツイリーやチャームはバッグを彩る定番ですが、ピコタンはシンプルで丸みのあるフォルムであるため、最も自由で、遊び心のあるアレンジが映えるバッグです。そのミニマルなデザインは、スカーフやチャームを最大限に引き立てるキャンバスとなります。

4. 知っておきたい!ピコタン特別モデル

通常のピコタンロックとは異なる素材や配色、デザインが施された特別なモデルは、生産数が限られるためコレクション性が極めて高く、ピコタン選びの楽しみを広げます。これらのモデルは、エルメスの職人技と遊び心が凝縮された、まさに一期一会の逸品です。

ピコタンロック・エクラ (Éclat)

「エクラ」はフランス語で「輝き」を意味します。

  • デザインの特徴: バッグ本体と、ハンドルやベルトの裏地に、異なるカラーや素材が使用されています。特に、ハンドルの裏やフラップを広げた時にちらりと見える別色が、さりげないアクセントとなり人気です。
  • 魅力: 普段は見えない部分に色や素材のコントラストがあることで、日常の中にサプライズや洗練された個性を感じさせます。

ピコタンロック・カザック (Casaque)

「カザック」はフランス語で「競馬の騎手の上着」を意味し、馬具工房としてのエルメスのルーツを感じさせるモデルです。

  • デザインの特徴: 本体全体が2色以上のバイカラーで構成され、正面から見て明確に色の切り替えが施されています。
  • 魅力: ツートンカラーやトリコロールカラーなど、ポップで大胆な配色が特徴で、通常のピコタンロックよりもさらにカジュアルでポジティブな印象を与えます。

ピコタンロック・タッチ (Touch)

「タッチ」は「感触」を意味し、異なる素材のコントラストを楽しむモデルです。

  • デザインの特徴: 本体には定番の柔らかなトリヨンクレマンスなどを使いながら、ハンドルやフラップのベルト部分に、マットなクロコダイルやリザードなどのエキゾチックレザーを使用していることが多いです。
  • 魅力: 本体は日常使いしやすい素材を維持しつつ、手で触れるハンドル部分に最高級の素材を配することで、さりげない贅沢さと上品な個性を両立させています。

5. まとめ

ピコタンは、サイズ、カラー、アレンジという三つの要素によって、その表情を無限に変えることができるバッグです。

ピコタンは、馬具入れに由来する機能的なデザインがルーツにあり、カデナが付属した「ピコタンロック」が主流となって、カジュアルなフォルムに高級感をプラスしています。柔らかなトリヨンクレマンスなどの素材が愛らしい「くったり」感を表現しており、ケリーやバーキンとは一線を画す、日常に溶け込む上質な自由が最大の魅力です。

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