🔄
コンテンツへスキップ

記事: バッグの型崩れを防ぐ『詰め物』の正解は?新聞紙NGの理由と、100均や家にあるもので作る保管術-パート1

バッグの型崩れを防ぐ『詰め物』の正解は?新聞紙NGの理由と、100均や家にあるもので作る保管術-パート1
カビ対策

バッグの型崩れを防ぐ『詰め物』の正解は?新聞紙NGの理由と、100均や家にあるもので作る保管術-パート1

久しぶりにバッグをクローゼットから出したとき、なんだか「クタッ」と元気がなかったり、身に覚えのない折れ目がついていたり……。

そんな悲しい経験はありませんか?

実はバッグの寿命を左右するのは、使っている時間よりも「使っていない時の保管方法」です。

型崩れを防ぐために欠かせない「詰め物(通称:あんこ)」 その代表格といえば「新聞紙」ですが、実はこれ、上質なレザーにとっては少し注意が必要な素材なんです。 今回は、なぜ新聞紙が「要注意」なのか、そしてなぜバッグは型崩れしてしまうのか。

その理由を詳しく紐解いていきます。

なぜ「新聞紙」はバッグにとって要注意なのか?

バッグの詰め物として、古くから重宝されてきた新聞紙。そこには選ばれるだけの理由がありました。

新聞紙が選ばれてきた理由

どんなバッグの形にも合わせられる、圧倒的な成形しやすさ。

そして「湿気を吸ってくれそう」というイメージと、身近にある手軽さです。

しかし、大切にしたいレザーバッグに新聞紙をおすすめしないのには、3つの明確な理由があります。

① インク汚れは、革の「芯」まで浸透する

新聞インクには油分が含まれています。 

一方で、革もまた、しなやかさを保つための「脂分」を持っています。

この両者が触れ合うと、インクの油分が革の脂分と馴染み、繊維の奥深くまで浸透してしまうんです。 

表面を拭くだけでは取れない「芯からの汚れ」になり、プロの手を借りても元の姿に戻すのは非常に困難になってしまいます。

② 「湿気の停滞」は、カビと虫を招く

革も肌と同じで「乾燥」はひび割れの原因になりますが、濡れっぱなしはさらに危険です。 

新聞紙は湿気を吸い込みますが、放湿(逃がすこと)が苦手。 

いわば「濡れたタオルをずっと当てている」ような状態で、こまめに替えない限り、カビや害虫(紙や湿気を好む虫)を呼び寄せる温床になってしまいます。 

たとえ紙を新しくしても、「インク移り」と「ニオイ移り」のリスクは新品の新聞紙ほど高いので、結局おすすめはできません。

③ レザー特有の「匂いを吸い込む性質」

革には目に見えない小さな穴が無数に開いており、周囲の匂い分子をキャッチしやすい性質があります。 

焼肉やタバコの匂いがいつの間にか消えるのは、表面に付いただけの匂いが「揮発(蒸発)」したからです。 

ですが、バッグの内側に新聞紙を詰め、密閉された状態で数週間〜数ヶ月過ごすとなると話は別です。 

逃げ場のない空間で、インクの匂い分子が革の繊維の奥深くまで入り込み蓄積されると、数日間風通しの良い場所に置いた程度では、なかなか取れない染み付いたニオイになってしまいます。 

手間とリスクを天秤にかけると、新聞紙は「保管の正解」とは言い難いものです。 

大切なのは、インクがなく、かつ「呼吸(吸った湿気を逃がす)」ができる素材を選ぶことです。

そもそも、なぜバッグは型崩れしてしまうのか?

「中身を抜いて置いておくだけなのに、なぜ?」

 その理由は、革特有の性質にあります。

革は「重さ」があるから、折れ目がつきやすい

ナイロンや布のバッグが、床に置いて形が崩れても持ち上げればすぐに元通りになるのは、素材が軽く、繊維に弾力があるからです。 革は違います。

布よりもずっと重いうえに、形が変わりやすい性質を持っています。

バッグを空っぽで置いておくと、折れ曲がった部分に「革自身の重み」がドシッとかかり続ける。

重い革が自分の重みで自分を押しつぶす……この状態が続くことで、消えない折れ癖になってしまいます。

湿気による「形状記憶」

革は湿気を吸うとさらに柔らかくなり、癖がつきやすくなります。

湿度の高い日に、折れ曲がった状態でバッグを放置するのは、濡れた髪のまま寝るのと同じこと。

たった一晩でも、繊維が緩んだ状態でついた「折れ癖」は、乾燥したときにそのまま固定され、取れないシワへの第一歩になってしまいます。

パーツの重みが残す「消えないアタリ」

重厚なハンドルやストラップが本体に乗ったまま放置されると、その一点に圧力が集中します。

数日間そのままだと、革が押しつぶされて凹み(アタリ)ができ、元の平らな状態に戻らなくなります。

【診断】革の種類別・型崩れリスク

ひと口にレザーバッグと言っても、その肌質によって悩みはさまざまです。

お手持ちのバッグがどのタイプに当てはまるか、チェックしてみてください。

① ハイリスク:ふっくらと柔らかい「シボ革」

表面に細かいシワ(シボ)がある、トゴやトリヨンクレマンス、シュリンクレザーなどのタイプです。 

これらは、もともと革を揉みほぐして柔らかく加工されているため、どうしても自立する力が弱めです。 

放っておくと、まるで「おじぎ」をするようにクニャリと形を崩してしまいます。 

守り方のコツは、パンパンにならない程度に、全体へふんわりと詰め物をしてあげること。詰めすぎると逆に革が伸びてシルエットが歪んでしまうので、「元の形をそっと保つ」くらいのボリュームを意識しましょう。

② ミドルリスク:ツルッとした「張り」のある革

表面に光沢があり、指で押すとパキッとした弾力を感じるヴォー・エプソンやボックスカーフ、サフィアーノレザーなどがこちらです。 

比較的形は崩れにくいのですが、実は一度折れ目がつくと、その場所から革が割れたり白い筋が入ったりと、ダメージが目立ちやすいのが泣き所。 

特にエプソンなどは「折れ」にとても敏感です。 一番負荷がかかりやすい「底の四隅」が内側に折れ曲がってしまうと、鋭いヒビや跡が残ってしまいます。 

真ん中を埋めることよりも、「4つの角」を内側からしっかり押し返すように支えてあげることが、美しい四角いフォルムを守る秘訣です。

③ 要注意:湿気に敏感な「起毛・マット」な革

スエードやヌバックのように毛羽立っていたり、ヌメ革のようにツヤがなかったりするタイプです。 

これらは湿気を吸い込むスピードが非常に早いため、形が崩れる前に「カビ」や「シミ」のリスクがぐんと高まります。 

何よりも優先すべきは、湿気を溜め込まない素材選び。 

パート2で詳しくご紹介する「不織布」や「綿素材」など、通気性の良いものを選んであげてくださいね。

型崩れしやすい「シルエット」

バッグの形によっても、ダメージを受けやすい場所は決まっています。

マチの広い「トートバッグ」

底が広いトートバッグは、中身が空っぽだと「横腹(サイド)」の革が内側に「くの字」に折れ曲がってしまいがちです。

これを放置すると、深い縦シワが刻まれ、最後には自立できないほど「クタッ」とした見た目になってしまいます。

曲線が美しい「ボストンバッグ」

もともと荷物を入れる前提で設計されているため、空の状態で置くと「天面(上の蓋部分)」が重力に負けてボコッと凹んでしまいます。

すると、ボストン特有の優雅なアーチが失われ、四角く角張ったような不自然な跡がついてしまうのです。

ハンドルが自立しない「ショルダーバッグ」

重厚なハンドルやチェーンが付いたバッグをそのまま置くと、その重みで「正面の革」が押しつぶされてしまいます。

数日そのままにするだけで、ハンドルの形がクッキリと「押し跡」として残り、消えなくなってしまうこともあるので注意が必要です。

まとめ

型崩れの原因は「革自身の重み」と「湿気」

そして、私たちが良かれと思って使っていた「新聞紙」は、インク移りや湿気溜まりのリスクを考えると、やはり最善とは言えません。 

柔らかい革は「全体」を、硬い革は「角」を。

バッグそれぞれの個性に合わせた「骨格」を作ってあげることが、長く愛用するための第一歩です。 

「じゃあ、新聞紙の代わりに何を使えばいいの?」 そんな疑問にお答えすべく、次回は100均や家にあるものを組み合わせて、大切なバッグを守る「自作詰め物」の具体的なアイデアをご紹介します。

▶ 次回:100均や家にあるものでOK!大切なバッグを守る「自作詰め物」と保管の極意-パート2へ続く

Read more

レザーバッグが汚れた!アルコールシートで拭くのはアリ?正しい応急処置と革の守り方

レザーバッグが汚れた!アルコールシートで拭くのはアリ?正しい応急処置と革の守り方

東京のマイクロバッグ、NYの40cmトート、パリの黄金比30cm。なぜ都市によって「人気のバッグサイズ」が異なるのか?移動手段や価値観から紐解く2026年の最新バッグ事情と、エルメス・バーキンのサイズ展開に隠された本質を徹底解説します。

もっと見る